ロクロで回る錫の塊に、刃物を当てて削り出す職人の手元。足元に細い削りくずがたまっている

錫を、削る。

Pewter Craftsman / Kakegawa, Shizuoka

MAKINAGIPewter Works

静岡県掛川市の錫工房。錫師・志村泰利が、伝統技法「ロクロ」で酒器・花器・仏具・アクセサリーを一つひとつ削り出しています。

国内に十数人しかいない、
錫専用ロクロ職人のひとり。

京都の錫器の老舗・清課堂で修業を積んだのち、錫の文化も職人もいなかった故郷・静岡に戻り、2018年に工房を開きました。

錫は金・銀に次ぐ希少な金属。茶器や仏具など昔ながらの品を受け継ぎながら、盆栽の鉢やキャンプ用の酒器など、これまでになかった錫のかたちにも取り組んでいます。

Studio工房
静岡県掛川市
Training修業
京都・清課堂 2011–2018
Melting point錫の融点
約 232 ℃
History日本への伝来
約 1,200〜1,300 年前
工具や錫の器が並ぶ薄暗い工房で、作業台に向かう錫師
01Process

ロクロで、削り出す。

柄杓の中で銀色に溶けていく錫
01

溶かす

Melt

錫の地金を火にかけて溶かします。錫の融点は約232℃。金属のなかでは低い温度で、とろりと液体になります。

型に流し込まれ、固まりはじめた錫
02

流す

Cast

溶けた錫を型に流し込み、削る前の塊をつくります。冷えて固まった錫は、鈍い銀色の肌をしています。

回転する錫に刃物を当てる手元と、飛び散る削りくず
03

削る

Turn

塊をロクロに取り付けて回し、刃物を当てて形を削り出します。刃の角度と力加減で、厚みや曲線を少しずつ整えていきます。

柔らかく、溶かせばまた形を変えられるのも錫の性質です。
アクセサリーが万が一壊れても、再成型ができます。

板の上で丸く固まった、いくつもの錫の雫
02About pewter

錫という金属

錫器が日本に伝わったのは、1200〜1300年前の飛鳥・奈良時代。中国から伝来したと言われています。錫は希少性が高く、金・銀に次ぐ高価な金属。錆びにくく比較的やわらかで、融点は約232℃と低めです。

昔からお茶を保管する茶入や、神様にお供えする神具として用いられてきました。

安心な素材
金属特有の臭いがなく、有害物が溶け出しません。
抗菌作用
錫のイオン効果によるものと知られています。
まろやかな口当たり
錫の器でお酒を飲むと、口当たりがまろやかになると言われます。
花が長持ち
水が腐りにくく、花器にすると切り花が長持ちします。
鍋の中で鈍く光る、溶けて平らになった錫
錫の小皿にのせた三つの錫の指輪
Rings & tray, pewter
03Product

つくっているもの

  1. 01

    酒器Sake bottle

    日本で数少ない伝統技法ロクロによって削り出した酒器。お酒をより楽しんでいただくためのフォルムを追求しています。

  2. 02

    花器Vase

    水が腐りにくく切り花が長持ちするという錫の特性を生かし、シンプルにデザインしました。

  3. 03

    錫鉢Flowerpot

    錫は酸化に強く熱伝導率が良く、水を浄化する性質があると言われます。水あかが出にくく、花が長持ちする鉢です。

  4. 04

    皿Plate

    錫の特徴を生かした日用の器。上品な輝きで、お料理を一層引き立てるデザインの皿です。

  5. 05

    仏具Buddhist fittings

    自宅で一緒に過ごせる、お部屋の雰囲気を崩さないデザインの仏具・分骨用の壺を追求しています。

  6. 06

    アクセサリーAccessory

    柔らかいからこそ加工がしやすく、万が一壊れても再成型が可能。傷も年月と共に唯一無二の「味」になります。

大切な方への贈り物、特注オーダー、OEM、会食・パーティーへの器のリースも承っています。日々の暮らしのなかで、錫の良さを知っていただけたらうれしいです。

04Works

作品と展示

沢の水辺で、手のひらにのせた槌目の錫の酒器 RIN

2022 / Outdoor × Pewter

RIN

キャンプでの乾杯を、気の合う仲間と。鈴のようなシルエットに、持ちやすさを考えたナグリ(槌目)加工を加えた携帯用の酒器です。酒器を支える革パーツは@_c_o_m_e_t__による製作。使うほどに現れる、錫と革の経年変化も楽しめます。

Dia.
50 mm
Height
50 mm
Volume
50 cc
Weight
100 g

プレーン(パラコード仕様)/ 黒漆(革紐)

苔の上に並ぶ、黒漆とプレーンの RIN

Solo exhibition / 2022.5.1 — 5.15

BIAS

錫と盆栽を組み合わせた個展「MAKINAGI presents BIAS」。世界で “BONSAI” として親しまれる盆栽と錫を合わせ、この展示のためだけの作品を発表しました。

木の台の上に置かれた、錫の鉢に植えた松の盆栽
白い展示室で、盆栽の作品を前に話す来場者
BIAS — at the gallery
木の枡に収めた、なめらかな表面の錫のぐい呑み silky

2022

silky

白い壁に小さな錫の作品が等間隔に並ぶ個展の会場

Solo exhibition / 2022.3

FUSE

個展「MAKINAGI presents FUSE展」。静岡新聞にも取り上げていただきました。

新しい作品や制作の様子は、Instagram で更新しています。@makinagi8

05Profile

錫師 志村泰利

眼鏡をかけた錫師・志村泰利のモノクロの肖像

志村 泰利Shimura Yasutoshi

京都で錫専用ロクロの技法を修得。故郷・静岡に錫の魅力を広めるため、実家である掛川市の本勝寺に工房を構えました。伝統にとらわれず、仏具や茶器から、アクセサリー、キャンプギアまで、錫の新しい使い方を探っています。

Career

  1. 1988静岡県生まれ
  2. 2011京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)美術工芸学科 立体造形 卒業
  3. 2011有限会社 清課堂 入社。錫専用ロクロ職人として伝統技法を修得
  4. 2014–15金属工芸公募展「いまからまめさら展」出品
  5. 2018清課堂 退社。故郷の静岡県掛川市で MAKINAGI pewter works を起業
  6. 2020東急プラザ銀座「New Local 静岡物産展」出店
  7. 2021磐田市「-樹- 庭の展示場」てしごと展 出店/浜松遠鉄百貨店 東急ハンズ「日本の熟成日本酒と酒器で愉しもう」出店
  8. 2022個展「MAKINAGI presents FUSE展」「MAKINAGI presents BIAS展」

Media

  • 2022広報かけがわ「かけがわこの人」令和4年1月1日号
  • 2022静岡新聞【FUSE展】取材
06Workshop

錫にふれるワークショップ

錫のことをもっと知ってもらうため、ワークショップを開いています。
写真は、やわらかい錫の板を金槌で叩いて形づくっているところ。日程や内容は、お問い合わせください。

ワークショップについて問い合わせる
ワークショップで、錫の細い板を金槌で叩いて形をつくる手元
Workshop, 2021

Care

錫の取り扱い

傷も年月とともに、その器だけの「味」になっていきます。長く使っていただくために。

  1. 01使用後は柔らかい布またはスポンジで洗ってください。
  2. 02錫は柔らかい素材のため、硬いタワシや研磨剤入りのクレンザーはお控えください(傷の原因になります)。
  3. 03水気が残ると跡になることがあります。洗ったあとは、なるべく早く水気を拭き取ってください。
  4. 04融点が低いため、火の近くに置かないでください。
  5. 05冷凍庫には入れないでください(分子構造が変わり、破損の原因になります)。
07Contact

錫のこと、
お気軽にご相談ください。

オーダーメイドのご依頼、お取り扱いのご相談など、お気軽にご連絡ください。

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